曲がり角研究会

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help リーダーに追加 RSS 峠みち(2)

<<   作成日時 : 2008/05/14 14:49   >>

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生理現象を解消するために、姿を消した夫を待ちながら、
ひとり、うぐいすの声に聞きほれているときだった。

峠のほうから降りてきたカブというのか、小さなバイクに乗ったヘルメット男が、
スピードをゆるめてこっちに近づいてくる。
なんじゃいなー、ここで弁当食べるなとでも言いたいんかいな、
それとも、夫の立ちションをチラリとでも見たか、、、。
バイクが止まった。

挨拶をするほかはない。
「こんにちわー」
バイクに跨ったままのヘルメット男は目ざとく車のナンバーを目に入れたらしく、
「ほう、神戸から」
「は、はぁ、、、」
ヘルメットに続く顔は太鼓まんじゅうのように丸く、
北国特有であろうか、頬に赤みがさしていた。
その丸い顔とくるくるした目が気の良さをもろに出している。
バイクの前のカゴには見出しもでかでかと派手たらしいスポーツ新聞が入っていた。
どう見ても、地元の中年、いや青年晩期か。

「どこどこ回って来られたんですか」
「はぁ、いろいろ、、、」
「これからどこへ行かれるんですか」
気の良さそうなヘルメット男だが、尋ねることはケーサツ並みである。
精一杯、努力して使っているような標準語がうっとおしくなってくる。

二人のやりとりを聞いたものか、うぐいすもぴたりとさえずりをやめてしまった。
戻ってきた夫は触らぬ神にたたりなしを決めこんで、
近くに寄って来ようともしない。


    <つづく>

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